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衛生士ブログ-DH宮本


2018.12.19

こんにちは!歯科衛生士の宮本です。
今回のブログが今年最後のブログになります。今年も1年間ありがとうございました!!
今回は歯周病が引き起こす病気についてお話します。
1990年代の後半以降、歯周病が全身疾患や全身の状態に影響を及ぼすことが明らかになり、全身の健康を守るためにもお口の健康が重要であると認識されるようになってきました。

その1・骨粗鬆症

閉経後骨粗鬆症の患者さんにおいて、歯周病が進行しやすい原因として考えられているのが、エストロゲンの欠乏です。エストロゲンの分泌が少なくなると、全身の骨がもろくなるとともに、歯を支える歯槽骨ももろくなります。また、歯周ポケット内では炎症を引き起こす物質が作られ、歯周炎の進行が加速されると考えられています。したがって閉経後の女性は、たとえ歯周炎がなくても、エストロゲンの減少により、歯周病にかかりやすく広がりやすい状態にあると言えます。また、骨粗鬆症の薬としてよく用いられるビスフォスフォネート製剤(BP系薬剤)というのがあり、これを服用している方が抜歯などをした場合、周囲の骨が壊死するなどのトラブルが報告されています。

その2・糖尿病

糖尿病には網膜症・腎症・神経障害・末梢血管障害・大血管障害などの合併症があり、歯周病はこれらに続く第6の合併症と捉えられています。そのため糖尿病患者さんの多くに重度の歯周炎が見られます。また歯周病の炎症で産生されるサイトカインのうち、ある種のものがインスリンの効きを阻害するため、歯周病患者は血糖コントロールが改善しにくくなります。したがって、歯周病治療を行うことで炎症が収まり、サイトカイン濃度が低下すれば血糖コントロールの改善に影響を与えると考えられています。

その3・早産、低体重児出産

妊娠中はホルモンの変化などによって歯ぐきの炎症が起こりやすくなり、歯周病になる人も少なくありません。これが「早産・低体重児出産」の危険度を高めています。歯肉の血管から侵入した歯周病原性細菌やサイトカインが血流に乗って子宮に達すると、子宮筋の収縮を引き起こして早産や低体重児出産になる可能性があります。最近の報告によると、歯周病にかかった妊婦さんに低体重児出産が起きるリスクは健常者の4.3倍程度と言われています。

その4・誤嚥性肺炎

誤嚥性肺炎とは、食べ物や異物を誤って気管や肺に飲み込んでしまうことで発症する肺炎です。特に要介護の高齢者などは、飲み込む力や咳反射が低下しているため、唾液やプラークなどが気管に入りやすく誤嚥を引き起こします。その結果、誤嚥性肺炎を発症してしまいます。特に、脳血管障害の見られる高齢者に多くみられます。誤嚥性肺炎の原因となる細菌の多くは、歯周病菌であると言われており、誤嚥性肺炎の予防には歯周病のコントロールが重要になります。

その5・動脈硬化

歯周病の人はそうでない人の1.5〜2.8倍、循環器(心臓・血管・リンパ管など)の病気を発症しやすいとされています。
歯周病菌や歯周病菌の作り出す毒素は、血管に入り込んでその内側に付着、炎症を起こします。そこに、悪玉コレステロールが沈着、おかゆ状のコブのようになります(=動脈硬化)。そしてそのコブは、次第に大きくなり血流を阻害し、血管が詰まってしまうというわけです。
血管中で、コレステロールなどの脂質がおかゆ状に沈着している部分で、歯周病菌が検出されたという結果も報告されています。
このように歯周病は口腔内だけではなく全身に悪影響を及ぼします。定期的に歯科医院での検診を受け歯周病のチェックを行いましょう!!